2017年注目のテレビ「有機ELディスプレイ」 構造やメリット・デメリット

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2017年注目のテレビ「有機ELディスプレイ」 構造やメリット・デメリット

超高画質のテレビや大容量ハードディスクなどが発売され話題を呼んでいますが、近年特に注目されているものといえば「有機ELディスプレイ」が挙げられます。この技術を使えば、いずれはテレビをポスターのように丸めて持ち運べるようになる、といった話を耳にしたこともあるのではないでしょうか。
2017年注目されている家電トピック「有機ELディスプレイ」について、現状のメリットやデメリット、今後の課題をご紹介していきます。

ポスターのように丸められる?「有機ELディスプレイ」とは

「有機ELディスプレイ」とは、その名の通り、有機ELという発光ダイオードを使ったディスプレイのことを指します。
有機ELとは、「オーガニック・エレクトロ・ルミネッセンス」という発光ダイオードの技術のこと。電極に挟まれた特定の有機化合物に電圧をかけることで、光を生じさせる技術です。
さらにガラス面の代わりにプラスチック基板を使用した「フレキシブル有機EL」は、曲面ディスプレイ製品にも使われています。
これまで海外の家電・通信メーカーLGエレクトロニクスが99%のシェアを持っていましたが、今年2017年になって国産家電メーカーが新製品を発表したことで一層注目されるようになりました。

現状の有機ELディスプレイが持つメリット

●ミリ単位の薄さを実現
有機ELディスプレイが最も注目されている点といえば、圧倒的な薄さに尽きるでしょう。
有機ELは有機化合物で出来た画面自体が発光するため、これまでの液晶ディスプレイのようにバックライトを必要としません。そのためミリ単位での薄型化が可能とされており、LG製フラッグシップモデルではわずか3.9mmという薄さを実現しています。

●近年の研究で「長寿命化」した有機EL
最近になって有機ELディスプレイが頭角を現した背景には、長年の技術開発によってその耐用年数が大幅に伸びたということも関係しているでしょう。現在普及し始めている有機ELの技術は、1987年のアメリカですでに開発されていました。有機ELが抱える“寿命の短さ”という課題を抱える有機ELは、30年という歳月をかけて実用化された背景を持っています。

家庭用の有機ELが抱えるデメリットと今後の課題は

2017年注目のテレビ「有機ELディスプレイ」 構造やメリット・デメリット

●家庭用テレビとしては寿命が短い
長年の技術開発によって、ようやく実用レベルになった有機EL技術ですが、一般家庭用の家電として利用するにはまだまだ寿命が短いと言わざるを得ません。
現在の有機ELディスプレイの平均寿命は、およそ3万時間といわれています。実際、有機ELディスプレイのシェアNo1を占めているLG社も、およそ10万時間で光り方が弱まってくるということを明かしています。

●消費電力が液晶テレビの1.5倍かかる
バックライトを排して超薄型化に成功した都合上、有機ELは相当な電力を消費します。
通常の液晶テレビの消費電力がおよそ200ワットなのに対し、現在発売されている有機ELディスプレイは320ワットもの電力を必要とするのです。

●海外・国内メーカーともに高価
最先端の技術が詰まった有機ELディスプレイは、現状では価格帯としても高価なものがほとんどです。国産メーカーが発表した新製品では一人暮らし用サイズでさえ100万円を超すものも見られます。

たいへん期待が高まる有機ELディスプレイですが、ご家庭で利用できるようになるにはもう少し時間が必要なようです。夢の技術が自宅で楽しめるようになるまで、今後も目が離せない話題ですね。

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