ホームシアターを作る上でポイントとなるのが、プロジェクターの映像を投影する「スクリーン」。一口にスクリーンと言ってもその種類は複数あり、それぞれ特徴や利点が異なってきます。
今回はホームシアター用スクリーンの種類について、一般的な画面の素材や設置方法を解説していきます。それぞれに合った使い方や選び方のポイントについてチェックしておきましょう。
【スクリーンの選び方】画面素材の種類で選ぶ
・マットタイプ
家庭用のスクリーンで最も一般的なタイプ。
投影された光を全方向にバランスよく反射させるため、どの方向からも見やすく、安定した画質を楽しめます。しかし日光などの自然光や室内照明の光まで反射してしまうため、明るい部屋ではやや使い勝手が悪くなります。部屋を暗くして映画などを楽しむ際におすすめの方式です。
・パールタイプ
銀紙のような素材を使っており鏡のような反射性を持つ画面タイプです。
明るい部屋でも見やすいのですが、拡張性が低く見る角度や場所によって光の精度がばらける欠点もあります。明るい部屋でTVやゲームの画像を鑑賞したい方向けと言えます。
・ビーズタイプ
反射素材にビーズ(小さなガラス玉)を使っており、プロジェクターの光はしっかりと反射し、日光などの余分な光は排除する特性があります。プロジェクターを机上など低い位置に設置する場合でも画面が見やすい設置方法です。
ただし、画質が所々乱れることがある点や、長く使っているとビーズがこぼれ落ちてしまう点が欠点と言えます。
・サウンドタイプ
スクリーンに微細な穴が空いており、画面越しに音が通り抜けられるタイプのスクリーンです。スクリーンが音響を妨害せず、画面の後ろにスピーカーを配置してもハッキリとした音響を体感できます。ただしピンホールが空いているため画質にはややムラができてしまいます。音響を重視する、スピーカー配置に制限がある方に便利なアイテムです。
【スクリーンの選び方】設置形式で選ぶ
・天吊り式
天井に設置してガレージシャッターのように巻き込める方式です。
一度固定してしまえばスクリーンを引き出すだけという使い勝手の良さが強みですが、その分視聴環境を微調整するのは難しいと言えます。リビングなどでベストな配置を見つけて視聴したい方向けの設置方法です。
・立ち上げ式
床置きタイプのポータブルスクリーンで、ジャッキのような支柱を展開してどこでもプロジェクターを利用できる方式です。好きな場所に配置できるのがメリットですが、視聴環境は毎回調整しながら準備するため、面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
会社や大学機関のプレゼン用など、場所を選ばず使用することができます。
・タペストリー式
ポスターのように画面を壁に掛けるだけのシンプルな形式です。
費用も比較的安く、設置が簡単な点が魅力です。ただしスクリーンが風で揺らいだりすることが多く、本格的なホームシアターを求める方には向きません。手軽にスクリーンを楽しみたい方向けの方式と言えます。
・貼りこみ式
スクリーンをフレーム(枠)に貼りこんで壁などに固定する方式です。
布1枚のスクリーンに比べて画面の揺らぎも起きづらいため、高画質な映像を集中して観ることができます。本格シアタールームに適した設置方法ですが、比較的費用がかかる点や一度設置すると調整・撤去しづらいところがネックです。こうした特性を踏まえて、貼りこみ式を使った本格シアタールームを用意する方は、角度調整やアーム調整の付いたプロジェクター設置器具を選ぶ方も多いです。
スクリーンのタイプにはさまざまな種類が存在しますが、それぞれ異なる特徴があります。
ご家庭の視聴環境や利用方法に適したものを選びましょう。